個人事業を始める、或いは会社設立すると、とてもワクワクするものです。

この創業当時のワクワク感、そして願望をいつまでも忘れないでくださいね。というのは、願望というのは事業をする、或いは会社を経営する上でとても大事なことなのです。成功したいという強い願望が成功の確率を高くすると言えるでしょう。

もう一つ、願望の他に成功に必要な大切なものがあります。

京セラの創業者、名誉会長である稲盛和夫氏は仕事・人生の結果について次のような方程式で表すことができると仰っています。

仕事・人生の結果　＝　考え方　×　熱意　×　能力

*考え方はマイナス１００からプラス１００まで

*熱意は１から１００まで

*能力は１から１００まで

例えば、少しくらい悪いことをしてもいいやという考え（マイナス１０）の人が、熱意（やる気）が５０、能力が１００あったとすると、結果はマイナス５００００になります。

例えば、社会に少しでも貢献したいという考え（プラス４０）の人が、熱意が１００、能力が１０だとすると、結果はプラス４００００になります。

つまり、熱意が能力やあっても考え方がマイナスであれば、結果はマイナスであるということです。また、能力が低くても、良い考え方を持ち熱意が高ければよい結果をもたらすということです

この「仕事・人生の結果の方程式」は、熱意や能力が高い方の多い事業家、経営者は、考え方には十分注意しなければならないことを示すとともに、人を雇用する上で注意点を教えてくれていると思い、ご紹介いたしました。

精神論のようなことを述べましたが、事業を行っていく、会社を経営していく上では、精神論だけでは利益を生み出すことは出来ません。利益を生み出すためには、目標を持ち、数字をしっかり管理していくことが重要なのです。

さて、前置きが長くなりましたので、創業・開業直後に気を付けたい１０のポイントをお伝えしましょう。

１．税務署や都道府県庁、市区町村への届出書の提出

個人事業と会社（法人）では提出する書類や提出先が異なりますのでご注意ください。

青色申告については提出期限があり、その期限を過ぎると特典を受けられなくなります。

２．社会保険や雇用保険の手続き

社会保険が強制適用である場合、会社設立後すぐに書類の提出を求められます。

３．資金繰り表の作成

創業・開業時は何かとお金がかかるもの。あれも必要、これも必要と思って購入していると、みるみるうちに通帳の残高が減少していきます。お金は計画的に支出していきましょう。

また、資金繰り表は、金融機関でお金を借りる際に作成を求められる場合があります。後述する「事業計画書（経営計画書）」とは異なり、入金と支出を明らかにする表です。売上があってもお金が入ってくるのが2ヶ月先という場合、入金額は2ヶ月先に記入します。資金繰り表はいつ資金が不足するのかを教えてくれる重要なものですので、きちんと作成していきましょう。

４．経営理念の策定

経営理念は会社が永続的に目標とするものです。数年で達成できるような目標ではなく、30年、50年、100年先も目標とするものです。したがって、売上等目先のことではありません。経営理念をつくるのは簡単なことではありませんが、経営理念がある会社とない会社では、月とスッポンほどの違いが生じます。自分がなぜこの事業を始めるのか、目的等をしっかりと掘り下げて考えてみると良いでしょう。

５．事業計画書（経営計画書）の作成

金融機関からお金を借りる際、必ずと言っていいほど提出を求められるのは「事業計画書」です。事業計画書は売上高、主な仕入高（製造原価）、主な一般管理費について1年分から3年分、或いは5年分の見通しを表にしたものです。作成のポイントは、実現不可能な高すぎる金額を書かないということです。とは言うものの目標である以上低すぎる金額も問題です。頑張ればできる金額を目標とすべきでしょう。

６．商品サービスとターゲットの確認

事業を始めるにあたって、売る商品（製品）・サービスはお決まりになっていることと思いますが、今一度ターゲット（売り先）の確認はした方が良いでしょう。弊社では売上増のマーケティングコンサルティングを行っていますので、様々な事例に遭遇します。売る商品・サービスに対してターゲットが合っていないというのは意外とあるものです。老眼鏡を子供に売るというのは誰が見てもおかしいものですが、そのようなケースは有り得るので、しっかり確認しましょう。

７．営業方法の確認

 営業方法に確認なんて・・・と思われるかもしれません。しかし、あれをするのを忘れた等は誰にでもあります。頭の中では分かっていても、それをすべて実行するのは難しいのです。そこで、何をいつまでにするのか等をよく言われる５W2Hで紙に書いてみましょう。うまくいった方法をきちんと残しておけば、水平展開する時や自分以外の人に教える時にも役立ちます。

８．営業の準備

営業の準備とは、お客様に自分（自社）の事業を知ってもらうための準備です。事業のご案内、会社のパンフレット、商品（製品）・サービス紹介、商品（製品）・サービスメニュー、キャンペーンのお知らせ等いろいろあります。事業を始めたばかりの頃は特に、あなたの事業或いは会社を知っている人は僅かです。どんなに優れた事業内容、商品（製品）サービスであっても、認知度が低ければ売れません。認知度を上げるために必要なツールを準備しましょう。お金をかける必要はありません。手作りでも十分効果を上げることは可能です。

９．経理の準備

事業を始めると、あれもこれもとやることが満載です。そうすると、ついおろそかになってしまうのが領収書等の整理です。いくら使ったのか、また、いくら売上があったのかをしっかりと記録しておかなければ状況が把握できません。個人でも会社でも、現金出納帳はつけておいたほうが良いでしょう。現金出納帳は子供の頃記入したお小遣い帳と似ているので、そんなに難しいものではありません。事業のお金とプライベートのお金をわけないと、儲かっているのかそうでないのかも分かりませんので、とりあえずは現金出納帳をつけてみましょう。

１０．営業の開始

 上記ができたら、いよいよ営業開始です！上記７で考えた営業方法に８で作成した営業ツールを使って実践していきましょう。実践してみて、思ったほどの結果が得られなかった場合は、リカバリー策を考え、７の営業方法を手直ししていきましょう。工夫の積み重ねは必ず成功につながります。あきらめずに頑張っていきましょう！

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